矢田先生のアドバイスから誕生した医療製品

昨今、医療事故報道をよく耳にします。
これらの医療事故の中には医療器具の単純な操作ミスから起こったものも多数あるようです。
医療事故は患者様だけにとどまらず、医療従事者や周辺の人々をも悲劇に巻き込みます。
医療事故を無くすため、今後の医療は現場とメーカー、行政が三位一体となって努力していかなければならないと痛切に感じております。

　　　　　平成16年4月1日発売

本剤は、50ml輸液剤に注入針を組み合わせたキット製剤で、塩化カリウム製剤の誤認・誤使用による医療事故を回避すべく、工夫された形態になっています。
高濃度カリウム製剤については、投薬ミスなどによる医療事故が後を絶たず、患者様だけにとどまらず、医療従事者や周辺の人々をも悲劇に巻き込む現実を、多くの医療関係者が感じていたにちがいありません。実際には、経験の浅い看護師では高濃度カリウム製剤の危険性に対する認識が低いことが多いにも関わらず、処方し、指示する医師やベテラン看護師には、当然知っているものという認識のギャップが事故を生む原因となることもあります。
そうした中、「人為的な作業において、ミスをゼロにすることはできない。それならば、その可能性を極力減らす、ミスのできない製剤を開発・提供するのが、メーカーの最大で最低限の医療への貢献ではないか。」という矢田医師の考えと助言により、本剤の開発・発売が行われたのです。

　　　　　　　　　　平成12年7月5日発売

	テルモから患者様への輸液に使われる医療器具に誤接続のできない構造を採用した「テルフィードEDシリーズ」が発売されました。これは、口から食物を摂れない患者様に、鼻や口から胃や腸に挿入したチューブを通じて流動食や栄養剤を投与するための医療器具なのですが、以前のものは誤って血管内に薬剤を投与するという医療事故が起きていました。それは、血管に薬剤投与する輸液用器具の接続部と栄養剤を投与する器具の接続部が同じだったために起こってしまった事故だと考え、本製品は「接続部を全く変える事により、輸液用器具と栄養剤用器具の誤接続を防げないか」という矢田医師のアイデアから生まれました。

テルフィードEDは、神奈川県にありますテルモメディカルプラネックスに展示されております。

このような取り組みは、医療に関わるものとして今後も続けていかなければならないと感じております。
上記医療製品の開発によって医療事故がひとつでもなくなり、悲劇が繰り返されないことを願って止みません。

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